しましま。ろぐ。

煩わしくも愛おしい日々をひっそりと綴ります。

読みかけの本と現実逃避

あまりにも本を読んでいないので、なにか読もうと積んでる本を眺めていた。これにするかと、読みかけて途中で止まっていた本を取る。ああ、そうだ。たしかこの本はSNSで話題になったとかで書店で見かけて買ったのだ。

 

今どきのお洒落な層に好かれそうな、軽くて癖のない文章で書かれた著者の日常は、短い文章で束ねられた散文。つまりエッセイとなっている。文章のみならず、エッセイという姿勢までもが、何故かお洒落に思えた。

 

軽くて癖のない文体に乗せて、著者の日常や空気感を味わっていた。いや、そうだったはずで……。気が付いて見れば、横倒しになったわが身の回りに、好きなように丸くなって転がる猫が数匹。顔の傍には文庫が落ちていた。

 

途中まで読んでいるうちに、寝落ちしてしまったんだな。

 

短くとも彩りのある日常が少しずつまとめられた本。同じ行を何回も行ったり来たりして目が滑る。これでは、ダメだ。この本を読み切るための集中力が足りない。始めこそオシャンな空気にあやかるつもりでいたが、なかなか読み進まない。

引き続き、ほとんど意地になって読んでいた。読むというよりも必死で字を追う感じでしょうか。眠気が来ると腕の力が抜け、顔面に文庫が落ちてくる。背表紙の角がわたしの額を打つ。痛い。

 

蛍光灯が無常に照らす部屋の中で目覚めたときは「しまった!」と思った。本のことではない(ブログを書くことが頭をよぎったからです)。ああ、またこんな時間になってしまった。今日が終わってしまう。わたしという奴はなんでもっと早く書けないんだろうね。

 

本に手を伸ばしてみたのは、最近あまり読めていなかったから。

……と、いうのも勿論あるけれど。本当は「わたしは文章を上手に書けない」という少しいじけた気分から「(この本のように)オシャンな空気にあやかれないものか」などと、現実逃避してしまった部分もあるんです。

 

日々ブログを書いている人たちも、そんなふうに現実逃避をしたりするのでしょうか。でも、書くことは愉悦であります。その魔力は凄まじい。少しいじけて、停滞して、また書く。そんなことを繰り返しながらやっていこう。

 

そんなふうに、改めて感じました。